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MATERIAL
名村筆の毛

馬毛


馬の毛は、馬全体が筆毛として利用されます。
背中部分は主に水彩・デザイン平筆などに、腹毛は書道・日本画筆など、尾の脇毛は少量ながら貴重な材料としてすべての筆に使用されます。日本のものは少なく、南米・カナダなどから輸入されています。ほどよい復元性もあり、水含みが良くまとまりのよい筆になります。

豚毛

油絵筆に最適とされ、もっとも多く使用されています。中国産の原毛が主流で、重慶・漢口産のものが良質とされています。一匹の豚から採れる毛は一部の比較的長い毛のみになりさらにそこから「サラエ」と呼ばれる毛の選別を行います。毛の習性は反っているので、当社では独自の技術をもって曲がり癖を利用し、高品質な画筆に仕上げています。

イタチ毛


日本のものと輸入(中国・ヨーロッパ・ロシア)のものとがあり、現在は輸入ものが主として使用されています。筆毛材としてすべての要素を持っており、軽妙で適度な復元性があります。水含みも良く、消耗度が極めて低いです。

タヌキ毛


日本のものと輸入(中国)のものとがあります。日本のものは良質ですが極めて少量しか採れず、主に輸入のものが使用されています。腹毛は書道・日本画筆用には重要な原毛として、水彩・油彩筆は主に背中部分の毛を使用し、軟毛として幅広い需要があります。背筋の毛(黒狸)、腹毛(白狸)では毛質が異なり、筆の種類によって使い分けられます。

鹿毛


日本と中国のものが使われています。原毛の中では硬い毛となり、鹿毛のみで筆を作ることは殆どありません。強い分まとまりにかけるので、芯や根元の腰毛に使用され、毛自体にふくらみもあり、含みがよく弾力に大変優れています。先は鋭く毛の根元が空洞になっており、絵具の含みがよいのが特徴です。

主として日本で飼われている猫の毛です。特に白い毛のものが良質で、一番多く使用されています。その量が極めて少ないことから、大変高価な原料です。毛先が極めて軽妙。他の毛にはない特質を持っています。消耗度が高いため、毛の生命は短いです。


尾っぽの毛のみを使用します。シベリア・北欧・中国・日本と気候風土で毛の長短・硬軟と品質が異なります。寒いところのものほど、良質とされ、しなやかで弾力等の面ではシベリア産コリンスキーセーブルが高価で最上品質です。イタチ毛と極めて近い要素を持ち、軽妙で適度な復元性、水含みも良く消耗度が極めて低いです。

山羊毛


全てが中国からの輸入ものです。日本の山羊と似た動物の毛です。最近は中国国内事情から、輸入量が極めて少なく、今後の筆作りの大きな悩みとなっています。
水含みが抜群でまとまりが良く、毛の消耗度も低く長命です。復元性も特色があり、主材・副材となって筆の味を出しています。

牛耳毛


ヨーロッパ産の牡牛の耳毛で、絵の具の含み具合も良く、まとまりの良いセーブルに準ずる優れた原毛です。原産地はヨーロッパ・南米・中国産などが主に使用されています。

ナイロン毛

樹脂系絵の具の普及に伴って、耐久性・価格などの面からも一般的に広く使われています。初期の繊維に比べてかなり獣毛に近づけるような処理加工をされたものもあり、含み具合や描き味も質が上がってきています。
当社の多くのナイロン筆は、何種類かの太さのものを混毛して、より使いやすいように作られています。環境破壊や地球環境の悪化から入手できなくなった原毛、ワシントン条約、動物保護条例等で原毛が手に入らなくなったものの代用として使われていることもあります。